経済産業省よりJASTI の策定・運用について発表がありました。(2025/3/20)
「Japanese Audit Standard for Textile Industry(JASTI)」の策定までの道のり。令和6年9月、繊維業における特定技能の受け入れに係る追加要件として「国際的な人権基準に適合し事業を行っていること」が定められました。繊維業の技能実習制度において、賃金の支払いに関する違反が多く、また人権問題として国連より指摘をうけるなどがあり、違反をなくし適正な取引を推進するため、繊維業においては追加要件が設定されたのです。
「国際的な人権基準に適合し事業を行っていること」とは、公開された監査要求事項等に基づき、第三者による認証・監査機関の審査を受け適合していることとする、とされていました。代表的な国際認証機関として、GOTSや Bluesignが挙げられます。日本は独自の基準を策定しようと、繊維産業の監査要求事項・評価基準「Japanese AuditStandardforTextileIndustry(JASTI)」が策定されました。今後の日本の人権監査(社会監査)の基礎となる重要な評価基準です。ゆくゆくは国際認証へと昇華を目指しているようです。
繊維産業におけるJASTIの運用方法。 当初の計画では認証制度が考えらていましたが、費用削減や早期判定の観点から一般的に独立した第三者の認定機関の設置が必要な認証制度ではなく、第三者監査制度として運用を開始することになりました。
どのような組織体制か? 日本繊維産業連盟が統括事務局として全体を管理。その傘下で、検査機関コンソーシアム、全国社会保険労務士会連合会がそれぞれ事務局となり、三者が連携して安定的かつ効率的に運用できる環境を整備することになりました。監査機関は、検査機関コンソーシアムと全国社会保険労務士連合会の2本立てとなります。
いつから開始となるのか? 令和7年4月より受付開始予定となります。日本繊維産業連盟のHPにJASTI情報が掲載予定ですので、詳細はHPをご確認下さい。
費用はどれくらいか? ハッキリとしたことは記載出来ませんが、国際的な認証制度と比較した場合、相当に取組み易い価格を目指しているそうです。
審査期間はどれくらいかかるのか? 審査の受付から監査終了(判定)まで3ヶ月程度を見込んでいるそうです。
どんな判定となるのか? 「A判定」「B判定」「判定なし」の3つが用意されています。特定技能制度の追加要件「国際的な人権基準への適合」との関係では、JASTI監査で「A判定」又は「B判定」の場合は要件を満たすこととし、その際、「A判定」である場合は2年後の更新、「B判定」の場合には1年後の更新とするそうです。
特定技能1号への在留資格変更に時間がかかるのが予想されるが、技能実習生は帰国させなければならないのか? 経済産業省と入国管理局が調整をおこなっており、「特定技能1号」の在留資格に変更を希望するが、在留期間の満了日までに、「国際的な人権基準」への適合が確認できない等により申請に必要な書類を揃えることができない場合には、「特定技能1号」で就労を予定している受入れ機関で就労しながら移行のための準備を行うことができる「特定活動(6月・就労可)」への在留資格変更許可申請が可能 となっています。詳しくは入管庁のHPで確認をお願いします。
全国社会保険労務士連合会のJASTI監査への取組は? 全国社会保険労務士連合会のJASTI監査開始は本年6月・7月ごろを想定しています。JASTI監査に関わる社労士は、BHR推進社労士あるいはJASTI監査対応社労士(仮)となる予定です。BHR推進社労士とは、ILO(国際労働機関)駐日事務所の技術協力により、国際基準を踏まえた人権尊重への取組研修を修了した社会保険労務士がBHR推進社労士と呼ばれています。
JASTI監査と社会保険労務士 JASTI監査については、次の3段階があると考えています。 ①JASTI監査前の環境整備 ②JASTI監査 ③JASTI監査後のフォローアップ ②のJASTI監査に対応する社労士は、利益相反の観点から①③には対応不可となります。 事前準備もアフターフォローもとても重要となります。特に監査後の継続的な人権尊重の取組は非常に重要です。
今後、新しい情報が発表されましたら随時アップしていきます。
≪ 日本繊維産業連盟によるJASTIポータルサイトが開設されました。 | 全国17か所で中小企業向け「ビジネスと人権」セミナーが開催されます。 ≫