ストレスチェック 「50人未満」にも実施義務 報告までは求めず 厚労省検討会案(2024/10/10)
厚生労働省は9月30日、ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会に対し、中間取りまとめの骨子案を提示した。ストレスチェックの実施義務対象を労働者50人未満の事業場まで拡大することを盛り込んでいる。ただし、50人未満事業場については労働基準監督署への報告を義務付けない方向だ。事業場規模に応じた実施体制・方法をまとめたマニュアルも作成するほか、義務化までに十分な準備期間を設定するとした。
ストレスチェック制度は、労働者の心理的な負担の程度を把握するために医師などが実施する「ストレスチェック」と、その結果の「集団分析」、分析に基づく「職場環境改善」で構成するもの。労働安全衛生法と労働安全衛生規則の改正により平成26年に創設された。ストレスチェックは、50人以上の事業場に実施義務があり、50人未満事業場については、労働者のプライバシーの保護が難しいことから努力義務となっている。集団分析と職場環境改善は、企業規模にかかわらず努力義務が課されている。
令和5年の骨太の方針にメンタルヘルス対策の強化など働き方改革のさらなる推進が盛り込まれたほか、法改正後から5年以上が経過していることから、厚労省は今年3月に有識者検討会を設置し、見直しに向けた議論を重ねてきた。
9月30日の第6回会合では厚労省が中間取りまとめの骨子案を提示。規模の小さい企業でも健診機関やEAP事業者など外部機関を活用することでプライバシーの保護が図れるなど、ストレスチェックに対応できる環境がある程度整ったとみて、実施義務の対象を50人未満に広げるのが適当とした。他方、負担軽減の観点から、労基署への報告義務を課さない方向だ。
50人未満事業場については、原則としてストレスチェック実施を外部委託することが推奨されるとした。ただし、事業者として実施方針の表明や実施計画の策定などに主体的に取り組む必要があるため、厚労省において実施体制・方法に関するマニュアルを作成し、周知徹底を図るとしている。厚労省労働衛生課は、「産業医を選任していない企業での実施方法などを示したい」と話している。
骨子案ではさらに、企業が実施体制を整えられるよう、義務化までに十分な準備期間を設定するのが適当とした。「少なくとも数年間は必要」(厚労省労働衛生課)という。
集団分析・職場環境改善については、事業場規模にかかわらず努力義務を維持する方向を示した。たとえば職場環境改善は、集団分析の結果などに応じた取組み内容が企業ごとにさまざまであることから一律に履行基準を示すのが難しく、「義務化は時期尚早」としている。
(以上 労働新聞より)
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