実態勘案し総合判断 新興企業役員の労働者性 厚労省通達(2024/11/4)
厚生労働省は、新しい技術やビジネスモデルで急成長をめざす企業である「スタートアップ企業」について、そこで働く者への労働基準法の適用を巡る解釈に関する通達を都道府県労働局長に発出した。スタートアップの役員であっても労基法上の労働者に該当するかどうかは、勤務場所・時間の拘束性の有無や報酬の労務対償性などを判断要素として個々の実態を勘案し、総合的に判断するとしている。
取締役などの役員は一般的には労働者に該当しないと考えられるとする一方、取締役であっても就任の経緯や取締役としての業務執行の有無、業務への対価の性質・額などを総合考慮しつつ、会社との実質的な指揮監督関係や従属関係を踏まえて労基法上の労働者と判断した裁判例があることに留意すべきとした。
管理監督者に該当するか否かについても、実態に沿って総合的に判断すると指摘した。
取締役などの役員兼務者や、経営者直属の組織の長、企業内でそれらと同格以上に位置付けられている全社的なプロジェクトを統括するリーダーなどについては、基本給や役付手当が地位にふさわしい待遇となっていたり、一時金の支給率などにおいて職場の一般労働者に比べて優遇措置を講じている場合、「一般的には管理監督者の範囲に含めて差し支えない」としている。
(以上 労働新聞より)
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