パート・有期雇用 報告徴収1.5倍を目標に 窓口周知違反めだつ 千葉労働局(2024/11/28)
千葉労働局(岩野剛局長)は今年度、パートタイム・有期雇用労働法に基づく報告徴収の件数について、昨年度比1.5倍となる425件を目標に掲げ、指導を強化している。上半期は197事業所に実施し、うち9割以上に指導を行っている。実際に確認した違反では、相談窓口を設けているものの、社内周知を行っていないケースが多い。報告徴収と併せて、「点検票」を配布する取組みも開始している。男女雇用機会均等法など、他の法律に基づく報告徴収の際に100件配布・回収し、法の遵守意識啓発を狙う。
報告徴収の対象とする事業所は、近年の報告徴収実施状況や、労働基準監督署が定期監督などで訪問した際に確認した非正規雇用労働者の待遇を踏まえ、選定している。
今年度上半期(4~9月)は、197事業所に実施し、そのうちの9割を超える190事業所に指導した。違反を確認して是正を求めた件数が381件、違反には至らずとも助言援助を行った件数は178件だった。
最多の違反は「労働条件に関する文書の交付」で、100件みられた。同法では「昇給の有無」、「退職手当の有無」、「賞与の有無」、「相談窓口」の明示を義務付けているが、相談窓口の明示がないケースがめだつ。とくに、新しく雇い入れた労働者には窓口を周知しているものの、昔から雇用している労働者には周知していない事業所が多いとしている。そもそも窓口を設けていないケースは、「相談体制整備」違反として63件確認した。
均衡待遇にかかわる「不合理な待遇の禁止」の違反は42件確認した。通勤手当について是正を求めた例が多く、「正社員には上限を設けていないのに、パート労働者は会社の近くに家があるという理由で、『会社からバスで数駅分』など、上限を定めているケースが多い」(同労働局雇用環境均等室)としている。
同法の周知と意識啓発を目的に、今年度から全国的に「点検表」の配布も行っている。同一労働同一賃金の遵守状況などを尋ねる、チェックリストの形式をとっている。同労働局では年度内に100件の配布・回収を目標としており、上半期には約50件を配布した。雇用環境均等室では、「点検表と報告徴収により、指導を確実に行っていきたい」としている。
(以上 労働新聞より)
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