勤務間休息の法規制強化へ 導入義務化を視野に 厚労省研究会・報告書案(2024/12/19)
厚生労働省は12月10日、労働基準関係法制研究会(座長=荒木尚志東京大学大学院教授)を開き、労働時間法制などの見直しに関する報告書案を提示した。終業から次の始業まで一定時間を確保する勤務間インターバル制度について、義務化を視野に入れつつ、法規制の強化を検討する必要があるとした。規制の方向性として、11時間のインターバル確保を原則としたうえで、適用除外職種や、確保できなかった場合の代替措置を労使合意などで決定できるようにする案などを示している。
報告書案では、勤務間インターバルの法規制の強化や、法定休日の特定、連続勤務日数の上限設定など、「労働からの解放に関する規制」の強化を打ち出した。
勤務間インターバルについては現在、労働時間等設定改善法が事業主の努力義務を定めているものの、具体的なインターバルの時間数や対象者、導入に当たっての留意事項などは示していない。厚労省の「導入・運用マニュアル」が時間数や対象者設定の留意点などを紹介しているのみで、令和5年1月時点の導入企業割合は6.0%に留まっている。
このため、報告書案では、抜本的な導入促進と、義務化を視野に入れた法規制の強化について検討する必要があると指摘した。
企業に求めるインターバル制度の設計例として、11時間の確保を原則としたうえで、適用除外職種などの設定や、11時間を確保できなかったときの代替措置を法令や労使合意などで決定する仕組みを挙げた。
併せて、11時間よりも短い時間を義務付けつつ、適用除外職種の設定などをより限定した制度とする案や、規制の適用に経過措置を設定し、全面施行までに一定の期間を設ける案も盛り込んだ。規制強化に当たっては、多くの企業が導入しやすい形でスタートするなど、段階的に実効性を高めていく手法が望ましいとしている。
インターバルの代替措置を巡っては、労使協議に基づいて利用回数に上限を設定するといった対応案のほか、健康観察や面接指導などの事後的なモニタリングではなく、代償休暇など労働からの解放を確保するのが望ましいとの考え方を示している。
義務化の度合いについても、複数のパターンを提示した。労基法による強行的な義務とする案のほか、労働時間等設定改善法で導入を義務付けたり、配慮を求める規定を創設したりする案、勤務間インターバル制度を就業規則の記載事項に追加したうえで行政指導の手法で普及促進を図る案などを挙げている。
報告書案ではこのほか、定期的に休日を確保する観点から、労基法で13日を超える連続勤務を禁止するよう提言した。ただし、災害復旧などやむを得ない事情がある場合の例外措置を検討するべきとした。
(以上 労働新聞より)
勤務間インターバル制度には助成金の支援が用意されていました(令和6年度の申し込みは終了しています)。令和7年度も引き続き「働き方改革推進助成金」に「勤務間インターバル制度導入」があって欲しいです。終業から始業まで11時間以上の時間を確保出来ている企業は多いと思います。上記記事のように6%程度とは思えません。認知されていないだけと思います。義務化されて慌てて整備するよりも、助成金が用意されている間に、制度を導入されることをお勧めします。助成金については、お近くの社労士又は社労士会へご相談下さい。